パソコンで見る動く分子事典 Windows Vista対応版 DVD-ROM付
アナウンスのページ

2007年9月20日発行(講談社ブルーバックス)
本間善夫川端 潤 共著
※第1版の情報(Chime関連も)はこちらに移動しました。
※付録DVD-ROMはWindows XP/Vistaで利用可能です!

日本化学会機関誌「化学と工業」2012年2月号 [目次PDF]の特集「美しい形の分子」に,本ページで作成の画像を紹介した『タンパク質分子の美しさを広く知ってもらうために』が掲載されました! → 本文PDF(日本化学会のご厚意により転載)
 ※本文文献番号のページ等:[1][2][3][4-5],[6](本ページ),[7][8]

同誌目次に掲載の画像(辰年に昇龍をイメージして。文献[7]のTLR3から作成)

出版社による「パソコンで見る動く分子事典」紹介ページブルーバックス/化学事典・辞典・図鑑
その他の入手先:Amzonbk1e-honジュンク堂紀伊國屋書店セブンアンドワイ本やタウン
話の種に「動く分子事典」のある風景本分子事典を紹介してくれたブログ記事例も掲載)を作成しました。
「現代化学」2008年1月号p.70書籍紹介欄に本書の記事が掲載されました。
[TOPIC] 週刊文春2009年1月1日・8日新年特大号の竹内久美子さんの連載「ドコバラ!」(GFPがテーマ)で本書が紹介されました! [NEW!]
[TOPIC] 2007/11/04,第4回「サイエンスカフェにいがた」(ジュンク堂書店新潟店)において,本書を中心にお話をしました(カフェの報告)。




所蔵図書館マップによる本書の所蔵状況(画像は2008/09/05時点;大学では240館)


本文見本と分子モデル凡例参考情報:快適にお使いいただくために検索語のヒントなど) | 正誤表(新情報を含む)


専用ビューアによる分子表示例(データは糖鎖やα-シクロデキストリンを含むPDB 1CXF)
※左からデータ名リスト(検索も可能),分子モデル表示,分子表示変更の各ウィンドウ
※カスタマイズ版Jmolの制作作会社(p.330記載):ビーグル株式会社

【ご注意】 Jmol.jar(本書p.316)により分子事典を起動すると,Windows VistaのAeroを利用している場合にはAero(フリップ3Dも)が無効になるため画面が一旦暗くなりますが異常ではありません(RCSB PDBなどJmolを利用している他のサイトでも同様)。分子事典を終了すると再度暗転して復帰します。


「動く分子事典」掲示板
Jmol版「分子の学習帳」(Jmol関連リンク集あり)

本書の構成

    第1章 分子のかたち,分子の見方
          どうして分子で考えるのだろう
          身の回りの分子 −商品のラベルから
    第2章 分子事典
    • 基本分子
    • アミノ酸,糖
    • 脂質関連
    • ビタミン,その他
    • 天然成分
    • 薬剤
    • においと味の成分
    • 色彩と分子
    • 機能性分子
    • 高分子
    • 環境問題関連
    • 話題のくすり
    • 健康食品・サプリ
    • 生体高分子
    第3章 多彩なおもしろ分子の世界 −炭化水素を中心として
          ダイヤモンドの仲間たち
          亀の甲の仲間たち
    第4章 分子をよりよく知るために −有機化学の基礎
          有機化合物の成り立ち
          有機化合物の分類とあらわし方
          分子計算の概要
    DVD-ROM版分子事典の利用方法
    ※付録DVD-ROMには独自開発のJmol分子ビューアと分子データ約3000を収録!


本文見本(本間執筆分から)

■ 生体高分子(本文p.254)

イオンチャネル
ion channel


PDB ID:1bl8
分類:Membrane Protein(膜タンパク質)
タイトル:Potassium Channel (Kcsa) From Streptomyces Lividans

 細胞膜の内部に埋め込まれていたり外表面に存在していろいろな機能を果たしているタンパク質を膜タンパク質という(p.127〜参照)。このうち細胞内外のイオンの出入りを制御して、例えば生体電気信号を発生して信号を伝達するなどの役割を果たしているのがイオンチャネル(ion channel)である。ナトリウム、カリウム、カルシウムなど通過させるイオンによって構造が異なっている。
 2003年のノーベル化学賞は、水チャネルを発見したアグレとイオンチャネルの立体構造と機能を解明したマキノンに贈られた。図はマキノンらによって求められたK+チャンネルの立体構造であり、GFPとは異なってα-ヘリックス構造で囲まれ、その膜貫通部分は疎水性の中性アミノ酸で構成されている。イオンの流路は刺激によって開閉する細孔であり、イオンが通過できるサイズで親水性になっている。


上面図(上;A〜D鎖を色別表示)と側面図(下;通常の2次構造表示)。
側面図中央の大きい球はKイオン、小さい球は水分子の酸素原子。


※PDBデータの詳細はで以下のサイトでID入力(この例では1bl8)による検索で参照できます。
RCSB Protein Data Bank1bl8の詳細) | PDBj1bl8の詳細



Jmolで使われている原子色(参考:
生体分子の構成元素


アミノ酸の親水性・疎水性(タンパク質中の20種類のアミノ酸参照) …本書p.247
アミノ酸 分子式 疎水性
インデックス
 log P  酸性・塩基性 極性・非極性 等電点 コンホメーション
選択性
Arg R アルギニン H2N(=NH)NHC3H6CCH(NH2)COOH -4.5 -4.20 塩基性 極性(塩基性) 10.76 α
Lys K リシン H2N(CH2)4CH(NH2)COOH -3.9 -3.05 塩基性 極性(塩基性) 9.74 α
Asp D アスパラギン酸 HOOCCH2CH(NH2)COOH -3.5 -3.89 酸性 極性(酸性) 2.77
Asn N アスパラギン H2NCOCH2CH(NH2)COOH -3.5 -3.82 中性 極性(中性) 5.41
Glu E グルタミン酸 HOOCCH2CH2CH(NH2)COOH -3.5 -3.69 酸性 極性(酸性) 3.22 α
Gln Q グルタミン H2NCO-CH2CH2CH(NH2)COOH -3.5 -3.64 中性 極性(中性) 5.65 α
His H ヒスチジン H2NCH[CH2(C3H3N2)]COOH -3.2 -3.32 塩基性 極性(塩基性) 7.59 α
Pro P プロリン (C4H8N)-COOH -1.6 -2.54 中性 非極性(疎水性) 6.30
Tyr Y チロシン HO(C6H4)CH2CH(NH2)COOH -1.3 -2.26 中性 極性(中性) 5.66 β
Trp W トリプトファン (C8H6N)-CH2CH(NH2)COOH -0.9 -1.05 中性 非極性(疎水性) 5.89 β
Ser S セリン HOCH2CH(NH2)COOH -0.8 -3.07 中性 極性(中性) 5.68
Thr T トレオニン CH3CH(OH)CH(NH2)COOH -0.7 -2.94 中性 極性(中性) 6.16 β
Gly G グリシン H2NCH2COOH -0.4 -3.21 中性 非極性(疎水性) 5.97
Ala A アラニン CH3CH(NH2)COOH 1.8 -2.85 中性 非極性(疎水性) 6.00 α
Met M メチオニン CH3SCH2CH2CH(NH2)COOH 1.9 -1.87 中性 非極性(疎水性) 5.74 α
Cys C システイン HSCH2CH(NH2)COOH 2.5 -2.49 中性 極性(中性) 5.07 β
Phe F フェニルアラニン (C6H5)CH2CH(NH2)COOH 2.8 -1.38 中性 非極性(疎水性) 5.48 β
Leu L ロイシン (CH3)2CHCH2CH(NH2)COOH 3.8 -1.52 中性 非極性(疎水性) 5.98 α
Val V バリン (CH3)2CHCH(NH2)COOH 4.2 -2.26 中性 非極性(疎水性) 5.96 β
Ile I イソロイシン C2H5CH(CH3)CH(NH2)COOH 4.5 -1.70 中性 非極性(疎水性) 6.02 β
※疎水性インデックスは以下を参照;Kyte and Doolittle, J. Mol. Biol., 157, 105-132(1982)
※log PはOn-Line Log P Calculation掲載の実験値(参考ページ
※極性・非極性はChimeのProtein選択様式と関連(参考ページ



糖鎖における糖別の着色(参考:糖タンパク質データ集) …本書p.324
:Man :Fuc :Xyl :Sia :GalNAc :GlcNAc :GlcA



頁・DVDデータ
表紙カバー裏
(著者紹介・川端)
現在は農学研究科応用生命科学専攻食品科学講座教授 現在は同大学院農学研究院応用生命科学部門教授
9(5行目) 株式会社ビーグル ビーグル株式会社
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《リタリン》
【新情報】リタリンについては,不正な手段で入手して薬物として乱用する例が急増していることから,2007年10月にうつ病をリタリンの適応症から除外することが決まりました。他の適応症であるナルコレプシー(睡眠障害)薬としての利用は継続されます。その一方,ADHD薬としては国内でもようやく承認される見通しとなりました。 ※参考:ADHD薬
DVD収録分子データ
ビタミンB1〈チアミン〉
vit_b1.mol(書籍p.76の構造式は間違いではありません)
ビタミンには修正データ掲載
vit_b1.mol
HDにコピーして利用している場合はダウンロードして注01注04を参考に\res\jmol\molに保存
DVD収録分子データ
アモキシシリン
61336-70-7.mol(書籍には記事なし)
抗生物質分子データ集には修正データ掲載
61336-70-7.mol
HDにコピーして利用している場合はダウンロードして注01注04を参考に\res\jmol\molに保存


「生活環境化学の部屋」 | 「おもしろ有機化学ワールド」 | 講談社「ブルーバックス」